茨城のGWには、人が多すぎる観光地とは少し違うものがある。笠間では200店以上の陶器市が7日間続き、石岡では市街地を獅子舞が練る。鹿島神宮の境内では流鏑馬が走り、水戸の中心街はイベント会場に変わる。常陸大宮のホールには都市部でも人気のアーティストが立つ。派手さよりも、手触りのある時間がある。2026年4月29日から5月6日の茨城で起きることを、日程・場所・費用・移動の実務情報とともにまとめた。
笠間の陶炎祭 — 200店の窯元が7日間並ぶ
第45回を数える笠間の陶炎祭(ひまつり)が、笠間芸術の森公園で4月29日から5月5日まで開催される。茨城のGWで最も規模が大きいイベントで、笠間焼の作家・窯元200店以上が一堂に集まる。国内でこの規模の陶器市は多くない。
会場は笠間芸術の森公園の広い敷地全体を使う。入場料は1日500円(18歳以下無料、障がい者と付き添い1名も無料)。一度払えば再入場できる仕組みで、午前にひと回りして昼食を挟み、午後から気に入ったブースに戻るという使い方ができる。
今回の特別企画として台湾との海外交流展が設けられる。笠間焼の国際的な展開に関心がある方には見逃せない。夜まつりとライブは日没後の雰囲気を変え、陶器市とは別の顔を見せる。ろくろ体験コーナーもあり、初めて陶芸に触れる機会としても機能するため、子連れでも時間の使い方に困らない。
アクセス面では、笠間駅から会場まで徒歩でも行ける距離だ。車の場合、北関東自動車道の笠間西ICまたは笠間東ICが最寄りになる。GW期間中は周辺道路の渋滞が予想され、特に初日と週末の午前中は注意が要る。開門9時前後の早い到着が駐車場待ちを避けやすい。雨天の場合でも基本的に開催されるが、野外展示の一部が縮小されることがある。
石岡・水戸 — 伝統の獅子舞と市街地フェス
笠間から車で南東方向に約20km。常磐道を経由すれば25分ほどで石岡市に入る。GW初日の4月29日、いしおかイベント広場(石岡市若宮3-1-1)で「石岡 春の獅子祭り2026」が行われる。9時30分開始、入場無料。
石岡の獅子舞は、市内各地の神社が独自に受け継いできた伝統芸能だ。普段はそれぞれの神社の祭礼で演じられるものが、このイベントでは一堂に集まる形式をとっている。石岡の獅子頭は神社によって形や動きが異なるため、並べて見られる機会は限られている。演技の時間は厳格で、見物する側もその空気に引き込まれる。子どもが怖がりながらも獅子頭に頭を噛まれに行く光景は、神社の祭りならではのものだ。
石岡から水戸市内まで車で30分弱。5月2日には「水戸まちなかフェスティバル2026」が開かれる。大工町交差点から水戸駅にかけての中心街が、まるごとイベント会場になる形式で、飲食・物販・パフォーマンスが複数の場所で同時進行する。10時開始、入場無料。会場本部は水戸市民会館・エントランス広場(水戸市泉町1-7-1)。
水戸まちなかフェスは電車でのアクセスが便利な部類のイベントだ。水戸駅から徒歩で主要な会場を網羅できるため、車を使わなくても動ける。混雑が気になる場合は午前中の早い時間に入り、混んでくる前にひと回りするのが動きやすい。水戸市中心部には飲食店が多いため、昼食をはさんで午後まで過ごすことも難しくない。
鹿島神宮・大宝八幡宮 — 神社の奥へ踏み込む
5月1日、茨城の南東端にある鹿嶋市の鹿島神宮で「御田植祭・流鏑馬神事」が行われる。流鏑馬は馬に乗って標的を射る神事で、鹿島神宮では長い参道を馬が疾走する形式で執り行われる。神社特有の厳かな空間の中で、馬が加速する場面の迫力は写真や映像では伝わりにくい部分がある。神事なので観覧の立ち位置は決まっているが、それも含めて会場の空気がある。
鹿島神宮へは、鹿島臨海鉄道の鹿島神宮駅からも歩ける距離だ。車の場合、水戸市内から東関東自動車道・潮来ICを経由して約1時間。GW期間は周辺の渋滞と駐車場の混雑が出やすく、早めの到着が基本になる。
同じく5月1日から、筑西市の県西生涯学習センター(筑西市野殿1371)では「関東最古の八幡様・大宝八幡宮」との初コラボによる、ふれあいアジサイまつり限定御朱印の頒布が始まる。初穂料は1体1,000円。大宝八幡宮は「関東最古の八幡様」として知られる古社で、限定御朱印が流通する機会は多くない。
鹿嶋と筑西は方向が真逆になる。鹿嶋市は水戸から南東65km、筑西市は水戸から西60kmほど。同日に両方を回ることは難しく、日程を分けて計画するのが現実的だ。
音楽とアートに使う5月2日
5月2日は茨城の文化系イベントが集中する日だ。水戸市民会館・ユードムホール(水戸市泉町1-7-1)では「第4回いばらくin水戸市民会館」が開かれる。茨城にゆかりのある音楽グループが集まるステージで、今回で4回目を迎えた。全席指定・3,500円。チケットはチケットぴあ(Pコード:539-227)または水戸市民会館窓口(029-350-6060)で入手できる。
同じく5月2日、常陸大宮市文化センター・ロゼホール大ホール(常陸大宮市中富町3135-6)には水曜日のカンパネラが立つ。2010年代から注目を集めてきた音楽グループで、楽曲の世界観に独特のものがある。全席指定・6,500円。未就学児の入場は不可。常陸大宮市は水戸から北へ車で約40分の位置にある。
アートなら同日の結城市がある。「結城蔵美館 ~今、風を感じて~ 宮崎佐久子 色えんぴつ作品展」が結城蔵美館・本蔵(結城市結城1330)で始まる。9時開始、無料。結城蔵美館は江戸時代から残る古い蔵を改装したギャラリーで、ホワイトキューブとは違う空間に作品が展示される。結城市は結城紬の産地でもあり、街なかに機屋や紬関連の店が残っているため、鑑賞後に街を歩く時間も取れる。GW期間に結城に来る人はそれほど多くなく、落ち着いた時間が過ごしやすい。
音楽と美術を組み合わせたい場合、午前中に結城で鑑賞して、夕方に水戸または常陸大宮へ向かう流れが立てやすい。結城から水戸までは車で約50km。水戸から常陸大宮まで40分を足すと移動距離がある分、どちらかを選ぶ判断が必要になる。
花と自然の中でゆっくり過ごすなら
混雑を避けてゆっくり過ごしたい場合、石岡市のいばらきフラワーパークと古河市の古河公方公園が選択肢になる。
いばらきフラワーパーク(石岡市下青柳200)では、5月2日から5日の4日間、「蚤の市 ~Garden Life Market~」が初開催される。入場料は通常の入園料のみで、蚤の市への参加に追加費用はない。植物・庭用品・工芸品などが並ぶ市で、GW期間のフラワーパーク自体はシャクナゲとバラが見頃を迎える時期にあたる。花を見ながら市をのぞく過ごし方で半日が使える。石岡市は笠間から車で20分ほどの距離にあるため、陶炎祭と組み合わせたプランに自然に乗せられる。
古河公方公園では4月30日から、あおぞら太極拳教室(前期・全10回)とあおぞらヨガ教室(前期)が始まる。GW期間中の参加も可能で、公園のお堀と緑の中で体を動かす時間を取れる。5月の連休が明けても6月・7月まで続くプログラムなので、GW中に試して継続するという入り方もある。
古河市は茨城の南西端、埼玉・千葉と接するエリアにある。水戸・笠間エリアとは100km以上離れているため、1日で組み合わせる距離ではない。GW前半に笠間・石岡を回り、後半に古河でゆっくり過ごすという形が現実的だろう。古河市は東北新幹線の古河駅(栃木県小山市側)からも近く、関東圏からの電車アクセスが利く地域だ。
泊まりで来るなら
茨城のGWイベントはエリアが広く分散している。笠間・石岡・水戸を中心に回る場合、水戸市内に宿を取るのが移動しやすい。水戸から笠間まで車で35分、石岡まで30分、常陸大宮まで40分、結城まで50km。鹿嶋は65km離れるが、日帰りで往復できる距離だ。
GW期間中は水戸市内のホテルも埋まりやすい。早期の手配が確実だ。常磐線を使う場合、水戸駅周辺のホテルから水戸まちなかフェスや市民会館のイベントへは徒歩でアクセスできる。笠間・石岡へは水戸駅からバスまたはレンタカーが選択肢になる。古河エリアを別日程で回りたい場合は、古河市内または小山市で宿を取るのが近い。
笠間市内にも宿はある。陶炎祭の会場である笠間芸術の森公園に近く、市内中心部には旅館や民宿が数軒ある。GW期間は混んでいるため、笠間市内での宿泊を考える場合は早めに動く必要がある。2泊で茨城を回るなら「1泊目:笠間か石岡付近、2泊目:水戸」という動線が自然だ。3日目以降に南下して古河・結城エリアを回ることもできる。
茨城 GW 2026 日程まとめ
紹介した10件のイベントを日程順に整理した。
| 日付 | イベント名 | 会場(市区町村) | 料金 |
|---|---|---|---|
| 4/29〜5/5 | 第45回 笠間の陶炎祭(ひまつり) | 笠間芸術の森公園(笠間市) | 1日500円 |
| 4/29 | 石岡 春の獅子祭り2026 | いしおかイベント広場(石岡市) | 無料 |
| 4/30〜 | 古河公方公園 あおぞら太極拳教室 | 古河公方公園(古河市) | 別途 |
| 5/1 | 鹿島神宮 御田植祭・流鏑馬神事 | 鹿島神宮(鹿嶋市) | — |
| 5/1〜 | 大宝八幡宮 ふれあいアジサイまつり限定御朱印 | 県西生涯学習センター(筑西市) | 1,000円 |
| 5/2 | 水戸まちなかフェスティバル2026 | 水戸中心市街地(水戸市) | 無料 |
| 5/2 | 第4回いばらくin水戸市民会館 | 水戸市民会館(水戸市) | 3,500円 |
| 5/2 | 水曜日のカンパネラ プレミアムライブ2026 | 常陸大宮市文化センター(常陸大宮市) | 6,500円 |
| 5/2〜5/5 | いばらきフラワーパーク 蚤の市〜Garden Life Market〜 | いばらきフラワーパーク(石岡市) | 入園料のみ |
| 5/2〜 | 結城蔵美館 色えんぴつ作品展 | 結城蔵美館(結城市) | 無料 |
5月2日が最もイベントが集中する。水戸・石岡・常陸大宮・結城のいずれかを選ぶことになるため、事前に優先順位を決めておくと動きやすい。笠間の陶炎祭は7日間開催なので、混雑しやすい初日を外して平日に訪れる選択肢もある。